就職留年か就職浪人か

おさかなです。

さて、私はこのサイトで何度も触れているように修士2年の時に1年間休学して就職をやり直すという就職留年をしています。
この時期にもなると就活全滅や大学院入試不合格(院試落ち)などで来年の身の振り方を考える必要が出てくる方もいるとは思います。
そのような方々に向けて就職留年と就職浪人のどちらが良いかという話について書いておかないとなと思ったので、まとめておきます。

結論

まず結論から。
二者択一なら迷わず就職留年です。というか就職浪人はなるべくなら回避してください。

就職留年・浪人とは

そもそも就職留年や就職浪人とは何かについて説明します。

就職留年とは、休学や単位不足(多くの場合は単位を意図的に残します)、卒業論文が必修の場合は卒業論文未提出や取り下げなどの方法を用いて大学に残留し、次年度も新卒就活生として活動するというものです。
これに対し、就職浪人とは次年度の行き先を未定のまま大学を卒業してしまい、次年度に既卒生として就職活動を行なうというものです。

理由

大手企業では、就職浪人を新卒扱いしないという運用が事実上続いているからです。
建前上では卒業後3年以内は新卒扱いするということになっていますが、大手企業では既卒者の採用実績がほぼありません。
建前と本音が違うというのは社会ではよくあることなので、この現実を受け入れることも勉強のうちでしょう。

ただ、地方公務員の採用では就職浪人が不利になりません。
そうは言っても公務員試験一本に絞って落ちたら何年も浪人して過ごすことになりますし、多くの自治体では年齢制限もあります(30歳前後)。
かつてとは異なり筆記試験の点数順に採用している訳ではなく、面接を通じて適性を見ていることから職務に向いてないと判断されたら落ちます。
そのため民間企業と併願する必要があると言えます。
このことから、結局は就職留年のほうが自身を追い詰めなくて済むと思うのです。

どうやら親世代からは就職浪人を勧められることがあるようです。
卒業できないのではないかという懸念や在学年数が1年増えることによる学費の問題、とりあえず卒業して欲しいという体裁の問題、就職留年と就職浪人の差を過小評価しているなどの理由があるようです。

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しかし、国立大学では休学期間中は学費が掛からないため、上手く使えば経済的負担を増やさないで留年できます。
また、大手企業では中小企業やベンチャー企業と比較して給与水準も高いことから、巡り巡って親にもメリットはあるのではないでしょうか。
上手く説得して就職留年という選択肢を勝ち取ってもらいたいと私は考えます。

決断の基準

そもそも来年度に行く場所がなく身の振り方を考えている方からすれば、就活留年をするかどうか自体を迷っているかもしれません。

就活留年をしても良いと私が考える基準としては、不完全燃焼感が挙げられます。
つまり、これまで自己分析やインターン、OB訪問などといった活動にそこまで力を入れて取り組めていなかった、やりたいと思える仕事がなかったなど就活に最善を尽くしたとは言い難い場合です。
この場合だと、次年度は考え方を変え価値観をより磨き上げ自身の可能性を大きく伸ばすことができるでしょう。

逆に、これらの活動を熱心に進めてきたという方の場合は第一志望でなくても内々定を得た会社にとりあえず入社し、転職活動に力を入れるほうが良いと考えます。
就職留年の1年間は長いので、次年度の活動も同じようなものが続くとなると燃え尽き症候群になってしまうおそれがあるからです。
また、就活は相性で決まるので前年度に選考が進んだり内々定が出たりした会社が次年度も内々定を出すとは限らないのです。
このため滑り止めという概念は就活では有り得ません。
この点で就職活動は大学受験とは異質のものなのです。

院試落ちの場合も同様で、なんとなく周囲に流されて大学院を受けたなどといったように最善を尽くしたとは言い難い場合はそもそも大学院に進学する必要性があるのかも含めてもう1年掛けて自身に問い直す価値はあると思います。
院試を再び受けると決めた場合にせよ、就職に切り替えると決めた場合にせよ、長い人生の中で有意義な1年となることでしょう。
一方で試験勉強や面接などで自己のベストを尽くした場合では、残念ながら適性がなかったと考えて良いです。
今から就活を始めるなど、できることから着実に進めていきましょう。
この状態で留年すると研究をすることではなく試験に合格することが目的となってしまい目的と手段が逆転してしまいます。

なお、年齢面の問題もあります。
一般に、大企業から採用されるのは浪人と留年を合わせて2年以内(+2まで)の人のみと言われています。
既に+2の場合は留年を避けるのが良いと言えます。

就職留年のその後

では、就職留年や休学をした後にはどのような結末が待ち受けているでしょうか。

私のサークルやクラスの先輩同期といった直接の知人で就職留年した人達は、+2までなら二度目の就活で国家公務員総合職(いわゆるキャリア官僚)や地方公務員、メガバンクや大手自動車メーカーというようなところから内々定をもらっていました。
就職留年したからといって極端に不利になる訳でもなさそうですよね。
かつては銀行など堅めの業種では就職留年した人を採用しないというローカルルールもあったようですが、近年は+2までならそのような風潮はあまりなさそうです。

その一方で、卒論未提出や単位の取り下げが認められなかったという理由で就職浪人を選んだ知人もちらほら見かけます。
どうやら卒論が必修ではない文系の学部で多いようですが、タイミングが合わなかったり卒論指導教員の承認を得られなかったという理由もあると聞きました。
この場合だと、二度目の就職を終えてベンチャー企業や中小企業から内々定を得ている人が殆どでした。
たった1名ですが、粉飾決算で大問題になった某電機メーカーから内々定を得ている人もいました。

私の体感では就職留年と就職浪人だとやはり内定先に相当大きな違いがあると感じます。


ただでさえ就活が全滅したり院試に落ちたりということで、絶望してるということもあるでしょう。
このような困った事態が更に煮詰まったりこじれたりするのは、周囲の理解が足りないということが原因の一つになることもあるなと感じました。
特に、親世代との常識の違いは埋めがたいものです。
私も親を説得するのに苦労しました。
休学したところで次年度の復学が上手くいかず卒業できないのではないか、二度目の就活も納得できずに終わるのではないかなど、懸念点が多くあったのだと思います。
私はそれでも納得できずに妥協して就職するのではなく生き方を考える時間を取りたい、後悔を残したくないということでなんとか理解してもらえました。
おかげさまで充実した1年間を過ごすことができたので、感謝すると同時に理解を得る努力(プレゼンスキルってことですね)も重要だなと思ったものでした。

ではでは。