休学後の活動1 ~心理検査~

おさかなです。

前回の記事でも書いたように、今回から休学後の活動という連載を始めます。
流石にその6は内容が暗すぎて救いがないので、せめてこちらの連載くらいは明るく締めたいです。
全4回で3月の毎週日曜日に更新していきます。
1回目は心理検査についてです。

精神科

のっけから不穏な章タイトルです。
前回の記事にもある通り、都庁不合格が判明した直後の7月末に学内の相談コーナーに行きました。
そこにはベテランの職員さんがいて、臨床心理士の方によるカウンセリングコーナーと大学の保健センターにある精神科の受診をお勧めしてきました。

臨床心理士の方によるカウンセリングコーナーは1週間後の日程で予約を取れました。
翌週に受けてみたところ、気分こそ少し落ち着きましたが根本的な解決にはなっていないような気がしました。
それもあり、何か困ったことがあったら随時予約を取って受けるということにして出て行きました。
それ以降は行っていません。
ちなみに料金は無料でした。

保健センターの精神科も1週間後の日程で予約を取れました。
こちらはカウンセリングコーナーの2日後に行ってみた所、まずは問診票を渡されました。
書き終わると今度は個室に呼ばれ、スタッフの方(看護師の方かな?)が問題になっている所をごりごり聞いてきます。
このインタビューがなかなかのもので、家族構成やら幼少期のトラウマやらといったなかなかにセンシティブなことも淡々と聞いてきます。
困っていることを明らかにするためだと頭ではわかっているのですが、これではメンタルやられて来なくなる患者も結構いそうだなと思ってしまいました。
これら問診票とインタビューを合わせて1時間ほど掛かりました。
終了後に次回の初診の予約日程を示されましたが、お盆休みが近かったため直近の日程が空いていません。
仕方なく2週間後のお盆明けの日程で予約しました。

お盆明けに保健センターに再び向かい、初診を60分くらい受けました。
前半の40分くらいで話をしたり問診票やインタビューの話から更に踏み込んで質問をされたりします。
残りの10分くらいで今後の治療の方針を説明されることになります。
今後はカウンセリングを重ねつつ心理検査を受けてもらうということになりました。
帰り際に次回の予約を翌週に取りました。

1週間後の8月末に再診を受け、前回の記事で触れた医学部再受験について話を振ってみました。
そうしたところ希死念慮があるか聞かれた上で、試験勉強は研究よりも楽かもしれないけど結局研修医1年目で同じように大変な思いをするというお話をされていました。
また、医学部だから学んだ知識を必ずしも活用できる訳ではないというお話もされていました。
確かに医学部で身体のことをよく学んでも精神科ではなかなか使わないですもんね。
勿論最後は年齢のこともあるから慎重に考えて欲しいとまとめられました。
これ以降は隔週通うこととなり、次回の予約を取って帰るということが続くようになりました。

ちなみに私が通っている大学の保健センターでは、通常の健康保険が効かない代わりに診察料が格安に抑えられています。
学内生限定のため具体的な額はここでは示せませんが、街中の病院や診療所より安くなるはずです。
但し、投薬代や検査代は実費(10割負担)なので、高額な薬をもらったり検査キットを利用したりすると高くなる場合もあるのかなと思います。
そのような高度な医療は外部の病院や診療所で受けろということなのでしょう。

街中のメンタルクリニックでは初診30分再診5分なんてこともザラと聞きました。
保険診療だと点数が低いから回転率を上げて薄利多売ということになってしまうのでしょう。
そう考えると、保険が効かないからとはいえ大学生に向けて用意されたリソースはなかなか贅沢だなとも言えます。

また、健康保険が効かないというのにも実はメリットがあります。
そもそも健康保険が効くということは窓口で保険証を見せることになり、レセプト(診療報酬明細書)が健康保険組合に送付されます。
健康保険組合はそのデータをまとめて医療費通知という書類を作成し、支払者の勤め先に送付します。
このため学生で親の保険証を使うと、親の勤め先や実家の家族に病院の受診や薬局の利用が知られることになります。
保健センターでは親の保険証を使わないため、親の勤め先や実家の家族に精神科受診を知られないメリットがあります。
精神科受診は他人に知られたくないことのはずですので、これは大きいですね。

心理検査

精神科の方から臨床心理士の方を紹介され、そちらにこれまでのカルテも送付されていました。
精神科と同様に予約を取り、精神科の初診の2週間後、9月頭に行きました。
問診票を渡されて色々と書いていった後に、wais-iiiという心理検査を受けるという旨の説明がありました。

これはアスペルガー症候群(ASD)やADHDといったような発達障害を見分けるためによく用いられる検査です。
それらの発達障害を持っている人では結果に特有のパターンが表れてくるからだそうです。
この検査は14の試験からなります。
と言っても通常の筆記試験とは異なり、臨床心理士の方と1対1で会話しながら口頭で答えるというものになります。
例えば、「太郎さんが1個50円のみかんを3個、1個80円のりんごを4個買いました。代金は合わせていくらでしょう」といった感じです。
更に、作業をしたり質問に答えたりするまでの時間はストップウォッチで測定されます。
なるほど確かに短期記憶や瞬発力も総合的に測る試験だと言えます。
回答の仕方は勿論のこと、回答の合間にも臨床心理士の方が話しかけてきて様子を見ているため、これも診断結果に含まれます。
よく練られた検査だなと思うと同時に、検査を実施する臨床心理士の方も手法を磨かないとなのでなかなか大変だろうなと思ったものでした。

ちなみに、探せば試験の詳細はいくらでも出てきます。
中には設問の内容に触れているサイトも普通にあります。
ただクイズ的な試験もあることから、ネタバレになってしまい検査の結果に影響が出てしまいそうだと思います。
受けていない方は注意しつつ調べてみると良いでしょう。

本来は2.5~3時間程掛かるものですが、予約の都合で50分×3~4回に分けることになってしまいました。
予約もなかなか取れず隔週で通ったため、10月末まで掛かってしまいましたがなんとか終わりました。
終わった後に次回の予約を2週間後に取り、結果の読み方について説明を受けることになります。

結果発表

結果は以下のように出てきます。
自分のIQがわかるのは面白いところですね。

心理検査の結果です

1枚目の結果は自分の能力を大きく2つに分けてIQとして表したものです。
ちなみにIQは同世代の平均を100、標準偏差を15として正規分布に従うよう統計処理した指数のことです。

VIQが言語性IQと呼ばれるもので、耳からの情報を言葉によって応答する聴覚的情報処理力を示したものです。
PIQが動作性IQと呼ばれるもので、目からの情報を動作によって応答する視覚的情報処理力を示したものです。
これらの差をディスクレパンシーと呼び、15以上あると発達障害の可能性があるとされています。というのもこのあたりが統計上の有意差となる分かれ目だからのようです。
合わせてもらった資料では、それぞれをt検定で有意差検定した結果もついていました。
つまり、wais-iiiでは発達障害を能力の偏りとみなしているわけですね。

更に詳しく能力を分けたものが群指数で、VIQを言語理解(VC)と知覚統合(PO)、PIQを作動記憶(WM)と処理速度(PS)に分けています。

私の場合は、IQで見るとばらつきが大きいですが群指数で見ると統計上の有意差が出てきません。
この結果になった理由を見るために、それぞれの検査について詳しく見ていきます。

心理検査の結果です

2枚目の結果は、14個あったそれぞれの検査(下位検査)毎の得点を示したものです。
こちらも統計処理されており、同世代の平均を10、最高を19、最低を1として正規分布に従うように補正されています。
これも下位検査毎の差が大きい程得意不得意が分かれ、生活に不便を感じるようになるとのことです。
それぞれの検査について、詳しくは以下の記事を読んでみてください。

これらの結果に臨床心理士の方がコメントを付け、結果とともに渡され60分掛けて見方を説明してくださいました。
私の場合は、単語や算数で最高得点を出していたことから経験学習能力が高く、一度身につけたものは結構なスピードで処理できるとわかりました。
また、行列の点数も比較的高かったことから法則性の理解にも長けているとのことでした。
理解の点数も高かったことから対人意識が高く、他人をよく観察しているのだろうとのことでした。
私も他者の分析は好きだったので、確かにこれは表れているのだなと思いました。

一方で、配列や完成があまり得意ではないことから、人の気持ちや行動を理解することに困難を感じることがあるのではという指摘がありました。
また、組合や類似も点数が低いことから部分と全体の視点の切り替えが遅かったり、ヒントの活用が遅かったりするということでした。これによって社会的な枠組みの理解が遅く、普通はこうすればよいだろうといった予測が立てにくい可能性があるとのことでした。
語音整序の点数も低いことから、無意味記憶が弱く、初めて触れる物事を耳で聞いて覚えるということが苦手だろうということでした。
これは私も心当たりがあり、検査を受ける前から日常的にiPadとbluetoothキーボードを持ち歩き、カレンダーやevernoteにメモするようにしていました。
更に、検査中の受け応えは礼儀正しいが単語や短い文章で答える場面も目立ち、ぶっきらぼうな印象を相手に与えてしまうだろうということでした。

この結果を就活に生かすなら、やはり専門的な職業のほうが向いているのだろうということでした。
もっというとホスピタリティや細やかな気遣いを求められる仕事よりは、物事の法則性を理解し分析するお仕事のほうが良いだろうと思いました。

また、不得手な分野を踏まえるとアスペルガーの傾向があるのではないかと私は思いました。
検査してくださった臨床心理士の方に聞いてみると、検査が重複すると手間が増えるだろうから最終的な診断は主治医に聞いてほしいとのことでした。
ただこちらの見解としては、問診票とかと合わせてみたり検査中の受け応えを見たりしている限りおそらく障害者手帳を取得する程ではないだろうということでした。

ちなみに、この心理検査も無料で受けることができました。
街中の病院では保険が適用されて1,350円(450点の3割負担)だそうなので、この点でも恵まれているといえます。
私の通っている大学だとアスペルガーやADHDと診断される学生が相当多いようで、支援体制が充実しているとのことです。びっくりですね。


この実施結果が精神科に返送されて、11月半ばの診察の際に話題に上がりました。
結果、アスペルガーの傾向はあるが診断書を書く程ではないということでした。
この程度の能力の偏りはこの大学の人ならよくあるし、正常の範囲内ということでした。

学歴が高いとこれまでの受験勉強の成果が反映されて言語や知識、計算で高い得点が出やすいということでしょう。
と言われても現に途方に暮れていたため、あまり納得はいっていませんでした。
ただ、同じ大学の人達を何百人と診察している精神科の方に言われてしまっては説得力があるなと思い引っ込みました。
アスペルガーにはADHDにおけるコンサータやストラテラのような特効薬がある訳でもないため、診断書をもらうことにそこまでの意味もないかなと思い深追いしていません。

今回はここまでとします。結局何も進まなかった訳ですね。
普通に学生生活を過ごしていたら知ることもなかったようなことを知ってしまったような気がします。
精神科の話は次回に続き、診断名ともらったお薬の話を書こうと思います。

休学後の活動2 ~あがり症~ に続く