休学に至るまでその3 ~国家公務員試験~

おさかなです。臨時更新です。
なんとしても2月中にこの連載を終えたいと思いましたので、当初と予定変更して集中連載してしまいます。

さて、前回は民間就活に失敗するところまでを書いていきました。その中でふと公務員試験を受けようとなったという話を出しました。この公務員試験の受験体験記について、ひょっとしたら誰かの役に立つかもしれないのでまとめておこうと思います。

私が受けたのは国家公務員総合職と東京都庁です。
転勤族の子だったため親元には戻れる場所もなく、田舎のムラ社会的な人間関係の狭さにも耐えられないと思っていました。当初から東京に残ろうと考えていた結果これらを受けることになりました。
今回は国家総合職のほうの受験体験談を書いていきます。細かな制度の解説をしていると字数が膨れ上がってしまうため、気になる方は公式のサイトを見てください。

国家総合職は院卒区分で受けたため、1次試験に択一式の筆記試験(教養・専門)、2次試験に記述試験(専門)と政策課題討議試験(グループワークっぽいもの)、人物試験(個人面接)がありました。
政策課題討議試験では民間就活のケース問題やGDの対策がそのまま使えるという利点があります。教養択一の問題数が減っていたり、それなりに対策が必要な小論文がないことも併せて、大卒相当と比較して楽になっているように感じました。

1次試験対策

教養択一試験の勉強法については、過去問を人事院から取り寄せて2、3年分解いてみて解けなかったら市販の参考書を買えば良い程度でしょう。この過去問の取り寄せには1ヶ月半程度掛かるので、受験するつもりがある人は早めに準備するように注意してください。
ちなみに私は公務員試験の受験を決意したのが3月半ばと遅かったため間に合わず、学科同期や研究室の後輩がたまたま持っていたのを貰いました。情けないですね。
参考:国家公務員試験の過去問の入手方法 所要金額・時間

時事問題は別途対策が必要です。定番ながら速攻の時事を回しておけば十分でしょう。

専門択一試験の勉強法についても教養とほぼ同様ですが、技術系の場合は市販の参考書がほぼありません。大学の授業で使った資料やノートを見ながら過去問を解くというスタイルの勉強になるでしょう。
1次試験の場合は広く浅くになるので、そこまで深掘りする必要はないはずです。

近年官僚が不人気なせいか、ボーダーラインが低めで技術系院卒区分の場合では択一試験で6割取れれば通るはずです。
ただ専攻によりボーダーラインが異なり、例年では工学区分と農業科学・水産区分は低め、数理科学・物理・地球科学区分と化学・生物・薬学区分は高めになっています。ボーダーが高めの区分でも落とされないように最低7割は取れるようにしておきましょう。

私は化学・生物・薬学区分で受験し、1次試験では数学・物理、食品学、生化学・分子生物学、土壌肥料学・環境科学・農薬、細胞生物学・放射線生物学、遺伝学・進化学の中から解けそうなやつを適当にすくい取っていきました。
この区分の数学・物理は例年簡単なためぜひ選択しておくことをおすすめします。

2次記述対策

4月末にあった1次試験に通ったら、2次の記述試験の勉強を進めました。
こちらは院試勉強と同様に教科書を読んだら過去問を10年分程度解き進めるという勉強方法で十分なはずです。
私はバイオ系院生の割に分子生物学にそこまで詳しくなかったので、過去問が比較的簡単だった食品学、遺伝学、土壌肥料学・農薬の3科目を選択して解いていました。
遺伝学と分子生物学・生物工学は範囲が重複しているため、分子生物学に詳しい方はセットで選択すると勉強量を大幅に減らせることでしょう。

食品学では、以下の「食品学―食品成分と機能性 (新スタンダード栄養・食物シリーズ)」という参考書の内容がほぼそのまま出ていることに気が付きました。


ただ、最新版を持っていなかったため改めて買うことになりました。
試験では改訂部分を狙って聞いてきたため、注意するポイントかなと思いました。

政策課題討議試験

5月末にあった記述試験を受け終わると、別途届く葉書の指示に従って政策課題討議試験と人物試験を受験しに行くことになります。私の場合は6月中旬でした。
大卒相当が終わってから院卒区分になるので、院卒区分の場合は遅めの日程を指定されることが多いようです。

政策課題討議試験に向けては、公務員試験にふさわしい意見の提案ができるように、「地方上級・国家一般職[大卒]・市役所上・中級 論文試験 頻出テーマのまとめ方」という本を読んでおきました。毎年改訂版が出るようですが、こちらはそんなに内容が変わらないようなので古いものでも良いのかなという印象です。

当日は5~6人くらいのグループで、「金融教育を義務化すべきかどうか」というテーマで、A:賛成とB:反対に分かれて話すというものだった記憶があります。どうやらテーマは3つ程用意してあり、日毎・グループ毎に変えているようです。
形式は通常のGDというよりもむしろ日系コンサルの個人ワークに似ています。
最初に資料読解時間がありA4の紙1枚にAかBかとその理由をまとめるというものです(ここまで25分くらいだったかなあ)。
その後この紙をコピーして全員に配り、グループのメンバーが輪になり、3名の面接官がその後ろを囲むという形で討議を行います。最初に資料を読み込み(5分くらい?)、次に各々の意見を発表(各人2分くらいだったっけ)した後に質疑応答などを進めていきディスカッションに入ります(30分くらいだったかなあ)。
最後に再び一人ずつ発表(各人3分くらいだったっけ)し、意見が変わったかどうか、話し合いからどのような観点に気づき根拠を追加したかなどを話していきます。

コツは、最初の資料作成で理由を箇条書きにするというものです。時間がありませんからね。
討論中に発言ゼロだけはなんとしても回避するようにしましょう。それ以外は民間のGDに比べれば格段に甘いです。
また、最後の発表では無理に一つの結論にまとめる必要はありません。ただ、他の受験者の意見を積極的に取り入れることで協調性をアピールすることは必要になってくるでしょう。
ちなみに午前集合のグループは人物試験の後に政策課題討議試験、午後集合のグループは政策課題討議試験の後に人物試験になるようです。私は午後集合だったため政策課題討議試験を先に受けました。

人物試験

人物試験(人事院面接)では、当日の受付時に記入済の面接カードを提出することを求められます。人事院のウェブサイトからダウンロードすることになります。
記述内容は毎年それ程変わらず、

  • これまで力を入れてきたことについて:①学業や職務において
  • ②社会的活動や学生生活において
  • ③日常生活その他(資格,特技,趣味,社会事情などで関心のあること等)において
  • 志望動機
  • 志望する省庁

の5つです。上3つは各120字程度、志望動機は200字程度と簡潔に書くことが求められます。
あくまでも人事院の面接なので、志望動機については特定の省庁について書くのではなく、広く一般に国家公務員になりたい理由を書くよう心掛けましょう。

試験自体は3対1の20分程度です。内容は、面接官各人が力を入れたことについて上から順番に深掘りしてきて、受験者がどのような特性を備えているかを聞き出そうとするコンピテンシー面接というものです。
通常の面接よりもシステム化されているため、質問に適切に応答できていて求める大枠から外れなければDやE(一発不合格)といった困った評価はつかないはずです。
国家総合職の場合はこの後に官庁訪問があるからか、人物面の深掘りはされても志望動機についてそこまで深掘りされることは少ないはずです。よっぽど不可思議な省庁の組み合わせを書いていたり曖昧な志望動機を書いていたりしない限りは、時間切れになって言及されないことも多いことでしょう。だいぶ昔のことのため質問内容は覚えていませんが、私の場合は志望動機に触れられませんでした。
また、公務員試験に特有ですが、人事院面接では大学名を話してはいけないことになっています。民間と大きく異なるところですので気をつけましょう。
参考:国家公務員試験総合職受験日記 二次試験 — 人物試験・政策課題討議試験編

官庁訪問

2次試験の結果が出るのは官庁訪問直前の6月末でした。1次試験合格者のうち上位半分が最終合格となり、官庁訪問に臨めることになります。
1次試験の合格発表後から各省庁の説明会が開催されています。業務理解のためというのは勿論ですが、ここで出てくる人事担当者が官庁訪問序盤の面接を行っているためなるべく参加して質問もして顔を覚えてもらうべきです。
省庁の中にはこの段階で採用を決めているところもあり、民間に負けず劣らず熾烈です。

国家総合職の試験は1次試験が勝負どころだと思っている方がいるかもしれませんが、そんなことはありません。官庁訪問です。
むしろ試験は前座で、最終合格してからが本番です。

官庁訪問については、私は第1クールで全ての官庁から切られたのでそれほど詳しく書けませんが、ざっくりまとめておこうと思います。
省庁によって方式が全く異なりますが、朝8時半~9時に行くと会議室に通されて待たされます。その後1日2~5回都度呼ばれて面接を行い、夜中になったら次の予約を取って帰ることになります。
これを繰り返すため、内定者はどうやら合計10回程面接をすることになるようです。
正直な話、訪問なんて穏やかそうな名称には似合わず民間よりもずっとしんどいですね。他の業界でここまで面接が多いのは一部金融系くらいではないのでしょうか。
省庁によってはボーダーライン上の人には次回分の予約を電話連絡として訪問者をやきもきさせたり、午前中の時点で2、3人ずつ個別に呼び出されて採用の見込みはないというお祈りをされて帰ったりするというものです。
逆に確保したい層には、採用に強い決定権のあるキーパーソンに早い段階(第1クール夜や第2クール)に会わせるなんてこともあります。

私の場合は協調性のアピールが足りない、将来どうしたいのかをはっきり言えていないという旨のフィードバックが来た後に、採用の予定があったら今週中に電話しますとだけ言われて帰されてしまいました。
省庁を3つ受験しましたが、どこも似たような感じにあっけなく切られてしまいました。このようにして全滅が決まってしまい、持ち駒は7/21にある都庁の合格発表しか残されていなかったため待つことになるのでした。

字数が長くなったため、東京都庁の受験体験記は別の記事に分けます。

休学に至るまでその4 ~地方公務員試験~ に続く